スター・トレック:エンタプライズ、シリーズ1、エピソード1のネタバレ感想文です。
しょっぱなからネタバレなのでご注意ください。
ネタバレ、あらすじと感想
シリーズのスタートは、ジョナサン少年がスペースシップの模型を作っているシーンです。
スタートレックの有名フレーズ “Where no man has gone before” (人類未踏の地へ)は、コクレーン博士の言葉だったんですね。
いきなりバルカンの大使を指して「とんがり大使」と差別的な表現を使い、父アーチャーにたしなめられます。バルカン人が嫌いらしく「バルカン人が協力的なら(地球の)宇宙探査船は今頃ワープ5を達成しているだろう」とブツブツいいます。
30年後、オクラホマ州のブロークン・ボウに宇宙船が墜落、コーン畑でクリンゴン人が謎の宇宙人に追われています。クリンゴン人は小屋に逃げ込みますが、謎の宇宙人は形を変えて中に侵入。クリンゴン人はすかさず脱出して小屋を爆破。そこに小屋の主が現れて、ショットガンでクリンゴンを銃撃します。
最初の5分で「姿を変形できる謎の宇宙人」が出てくるとは、作者はSF好きの刺激の仕方を分かってますねw ワクワク。
イントロが終わると、シャトルでエンタプライズ号をチェックするアーチャー船長とタッカー。この時までにはワープ4.5のスピードで移動できるようになっているようです。地球と海王星間を6分で往復できるスピードとのこと。
医療班に呼ばれたアーチャー船長は、冒頭で撃たれたクリンゴンの病室の前で、バルカン人による事件調査について聞きます。遮蔽技術を用いた船で墜落したものの船は爆破で粉々になってしまい詳しいことは分からないとのこと。
クリンゴンが「遮蔽技術」を手に入れるのは、ディスカバリー(DSC)の時代ですから、これは謎の宇宙人の船だったんでしょうね。
「クリンゴンはバルカンによる対応を希望している」と言って詳細を明かさないバルカン人に、「これは地球で起こったことで、我々も知る権利がある」と引かない地球人。なにやらちょっとした緊張関係にあるようです。
クリンゴンの母星クロノスからの密使クラングは、重要な機密情報を運んでいる途中に地球住民が正当防衛で銃撃してしまったので、地球がクリンゴンから攻撃されるのを防ぐため、問題が片付くまでエンタプライズ号の出航を延期せよというバルカン大使のアドバイスに反発するアーチャー船長。
まだ死んでいないクリンゴンの遺体を母星に運ぶという案に違和感を感じ、更に反発するアーチャー船長は、バルカン人から「クリンゴンは戦闘民族で戦死に憧れる種族だから、病院の一室で死をむかえるなど、彼らにとっては屈辱でしかない」と説明されます。
アーチャー船長、最初のカルチャーショック。既存ファンの目から見ると、バルカン人は、クリンゴンの文化に敬意を表していることが分かるんですが、人間のアーチャー船長はまだ「地球人」の物差しでしか物事を測れません。悪いことではないんですけどね。
「まさかこれまで100年と同じようにバルカン人の言いなりにならないよね」っと提督に噛みつくアーチャー船長。
コクレーン博士が最初にワープ速度に到達し、地球人にとっての最初の宇宙人とのファーストコンタクトが起きたのが2063年。アーチャー船長らが地球最初の宇宙探索ミッションに出たのが2151年で、まぁ、概ね100年ですね。
ずっとバルカン人の言いなりになっているのが不服で噛みつくアーチャー船長は「その狭い視野と気の短さがを克服してから」っと釘を刺されます。
「3日後にエンタプライズ号が準備できるから、自分と生きたまま送り届けるよ。」っと自分の倫理観に従い話を進めるアーチャー船長。休暇中の通信仕官と未定の医療主任のスカウトが始まります。
医療主任は瀕死のクリンゴン人の治療に当たっていたデノビュラン人医師をその場でスカウトしていました。
お次は、エンタプライズ船内で、宇宙ブーム世代の操縦士の黒人男性メイウェザー少尉と兵器士官のイギリス人男性が、転送装置(=トランスポーター)について会話しています。まだ技術が安定していない様で、生き物の転送には懐疑的の模様。アーチャー船長が愛犬のポートスの転送を拒否したレベルだそうです。
重力装置も過度に重いと感じる調整具合で、カーゴ船育ちの操縦士のお父さんは重力を0.8Gに設定して軽々と動いていたそうです。
続いてエンジニアリングのタッカー少佐の再登場。木星までがワープ4で、木星を超えたらワープ4.5に加速するとウキウキです。
最後は、ブラジルで宇宙語を教えるアジア人枠のホシ(=星)の登場。教え子の試験が終わるまで3週間待ってくれと頑として譲りません。そこでアーチャー船長はソヴァル大使から貰ったクリンゴン人の録音を聞かせて、「喉頭音を駆使する言語が80種類もあるらしい」と言語マニアの興味をひいて、見事に釣り上げます。
さらに、バルカン人から押し付けられた監視人のティポールをメンバーに加えざるを得なくなって、キーメンバーの確定です。タッカー大尉から差し伸べられた握手に答えず、スルーするトゥポル副司令官。
あー。ジョージャウ船長から差し伸べられた手をスルーしたバーナムの行動はこれがソースだったんでしょうか?、自分の方が階級が高いトゥポルと、はるかに目上の船長をスルーするバーナムでは立場が違うから、マネしても上手くいかないよね。
出航式でコクレーン博士のスピーチに見送られながら、やっと出発。
惑星艦隊の船長にはそれぞれ出航の決め文句があるのですが、この時のアーチャー船長は「Let’s go」でした。フツーですな。
シーンは変わって、冒頭の謎の宇宙人がミステリアスな黒い影にクリンゴン人の捕獲状況と被害状況を報告します。
ここからしばらくクルーの交流シーンが続きます。デノビュラン人医師はいろいろな生き物を船に持ち込みます。医師にとってはストレス下の人間やクリンゴン人は絶好の研究対象みたい。バルカン人は、食べ物を手で触らないし、菜食主義らしいです。
ブリッジで謎の振動を聞き取るホシを相手にしないクルーでしたが、クリンゴンが目が覚めて翻訳中に姿を隠す事も出来る冒頭の宇宙人「スリバン」にクリンゴン人は連れ去られてしまいます。
最初のミッションに見事に失敗したエンタプライズクルーですが、アーチャー船長はトゥポルの提案を聞き入れず、「バルカン人のせいで地球人の宇宙探査は遅れに遅れた」などと恨み言を言いながら、本部に報告もしないで犯人を追う事にします。
確かにヤバいよ地球人。行動が衝動的すぎる…
医師の発見では、スリバンの解剖の結果、高度に遺伝子工学で改良された個体であることが分かります。
ホシが解読したクリンゴン語は概ね意味をなさない内容で、中でも「ジェリック、サリン、ライジェル、ソリア」の4つの言葉が固有名詞だと思われる、本ストーリーのキーワードです。
そのうち、「ライジェル」は星系で、クリンゴン人が最後に立ち寄った星です。「自分には、機密事項について語る権限がない」と言い淀んだトゥポルを敵視して、かなりひどい事を言い放つ血の気の多いアーチャー船長。
この時代の地球人は確かに差別的で、視野が狭く、自己中心的ですね。
シーンは変わって、サリバン人に自白剤を打たれたクリンゴン人は、ライジェルによった目的は「サリンというサリバン人に会うため」と白状します。
初の船外ミッションの為にライジェルに降り立つクルー達に翻訳装置を渡し、注意事項を伝えるトゥポル。「なれなれしくする性癖を抑えた方が賢明です」と釘を刺され、嫌味で返すタッカー。
トゥポルの情報がなければライジェルがどこかもわからないし、言葉もわからないのに、お礼も言わず、感謝もせず、イジワルを言うなんて、地球人ってヒドイ。
最後に
本エピソードは、人間のイジワルさを前面に押し出し、お世話係のトゥポルを気の毒に思うばかりでした。ごめんよ。トゥポル。
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