越冬レモンマーマレードは、マーマレードレベルの中では高難易度だと思う。
試行錯誤した結果のレシピなので、記録しておくことにしました。
分量
- 皮 381g
- 実 250g
- 砂糖 315g (50%)
- 水(=茹でこぼしの際に増えた重量) 47g
- 白ワイン 80ml
マーマレードの標準の砂糖の量は、皮と実の重量の50%~100%程度。ウチは甘さ控えめで50%で作ることが多いけれど、レモンは酸っぱいから砂糖多めでもいいかも。
※砂糖が多いと煮詰めた後に黒っぽくなりやすいことに注意
越冬レモンの外観
越冬レモンなんて勝手に呼んでいますが、何かと言うと、昨年内に収穫しないで木にぶら下がったまま冬越ししたレモンのことです。
ネット情報によると、レモンの収穫時期は、9月あたりかららしいので、随分長いことぶら下がったままになっていたってことです。

巨大化しているし、ボコボコぶつかっているし、沢山ケガして皮が固くなってしまっているレモンともいいます。
表皮がボコボコしているので、ゴミがよくとれるように塩をこすりつけてゴリゴリ洗いました。
総重量は1,624gもあったのですが、ガサガサしているところは硬くなっているだけでなく、苦くなっているので、避けて使うと、いい感じの皮は381gになりました。
越冬レモンの皮
皮は頭とお尻を取った後、リンゴ剥きするのが切りやすいです。

皮自体はシャクシャクして苦くないし、中綿も硬いけどほんのり甘いです。
でも、皮が固いから、ささがき風にスライスしながら薄く切った方がいいです。
日本の普通の包丁はダマスカス鋼っていうんですかね?
あれだと、レモンに限らず柑橘を切ると黒ずみが出ちゃうから、ステンレスナイフがあれば理想的です。
個人的にステンレスナイフの使い勝手が苦手なので、普通の包丁で切った後にすぐに水に晒してます。
ウチで唯一生き残った比較的切りやすいステンレスナイフを紹介しておきます。
Amazon、ZWILLING ツヴィリング 「 センス L 三徳包丁 180mm 日本製 」 三徳 万能 包丁 食洗器使用可能
皮をスライスするなら18センチのじゃなくて、13センチのペティーナイフが使いやすいと思います。
私が実際に使っている包丁は、バカみたいに斬れる堺刀司の包丁で、3回の海外赴任を共に歩んだ一生涯のバディなんですが、マーマレードづくりにはあんまり向いていなくて残念です。
Amazon、堺刀司 和泉利器製作所 DS洋庖丁 三徳庖丁 180mm
本当に素晴らしいバディで、三徳の方は正虎、ペティナイフの方は正重って名前で呼んで大事にしてます。おすすめ。
皮の茹でこぼし
今回の茹でこぼしは、水から入れて沸騰してから10分茹でるのを3回繰り返しました。

茹でこぼしの目的は、皮の外側についた汚れをきれいにとりきる、皮を柔らかくする、苦みをとるなどいろいろです。
中綿が酸化して黒ずんでしまった場合も綺麗にとれます。
Youtubeでは、日向夏など皮が柔らかい柑橘は茹でこぼしをしない人もいるみたいですし、栄養素がどうとかと言って茹でこぼしを勧めない人もいましたが……
初回の茹でこぼしの時に出る灰汁は微妙に色が汚いので、個人的には必ず一回は汚れ取りの茹でこぼしをするようにしています。
今回は、皮がめちゃめちゃ硬かったので、ある程度柔らかくなるまで沸騰してから10分間を3回繰り返しましたので、皮は1時間以上煮込んだことになります。
八朔や清美オレンジなどは、皮がめちゃめちゃ苦く、苦みを取るために茹でこぼしの回数を増やすこともあります。
※茹でこぼしの後、マーマレードを煮詰めるのに30分ぐらいかけるので、ふにゃふにゃにならないようにある程度の硬さは残した方がよく、皮を食べてみながら調整するとよいと思います。
果実の分量
越冬レモンは果実がスカスカになったりしているとネットに書いてありましたが、私は経験ないです。

レモンマーマレードを作る時に果実を全て入れると酸っぱくて仕方がないので、皮の重量の半分よりちょっと多いぐらいに調整するのが個人的な好みです。
今回は、皮380gに対して、果実は250g程度に抑えたので、皮に対して65%ってところでしょうか?
この辺は好みですから、何とも言えませんが、酸っぱいのが苦手な私でもパンに塗って食べれるレベルになります。
余った果実は絞って製氷皿で凍らせて、別の用途に使っています。
越冬レモンマーマレード、種子
種は、マーマレードにとろみをつけるペクチンを抽出するために、茶袋に入れて一緒に煮込みます。

越冬レモンマーマレード、煮込み
皮と果実と砂糖を一緒に煮込みます。最初は強火で果実から出る灰汁を取ります。灰汁が粗方取れたら弱火でコトコト、30分ほど煮込みます。

個人的な肌感覚では、皮と果実が大体同量になるように果実量を調整すると30分ほど煮込んだあたりでいい塩梅に水分が飛んで、鍋の底をさらうことが出来るようになります。
今回はレモンの酸っぱさを抑えるため果実を減らした分、白ワインで埋めました。
分量も感覚的に決めるのですが、皮が380gだったので、果実250g+茹でこぼしの際に皮に浸透した水分47g+白ワイン80mlで、水分量が概ね皮と同じ重量になるように調整しました。
白ワインを入れるタイミングは、灰汁を取った後、弱火に変える前あたりにしています。
果実と皮と砂糖は、浸透圧で互いを均一にするように馴染んでいきます(熱力学第2法則w)。強火で灰汁取りをした後に、「煮込むにはイマイチ浸かっていないな?」と感じたからワインを加えたって感じです。
いろんなマーマレードを作りましたが、ワインを加えるのは水分量が少ない金柑と果実が酸っぱいレモンだけなので、レアケースです。
因みに今回使ったのは、甘口のリースリング。貴腐ワインでもいいかなと思ったのですが、レアな材料を使うと苦情コメントが来たりするので、一般のご家庭にあるかもしれない範囲にしておきました。
越冬レモンマーマレード完成
今回は30分ほど煮込んだらいい塩梅になったので終了しました。お皿に出してとろりとしていれば、多少水っぽくても冷めればいい塩梅に固まるので、煮込み過ぎには注意です。

心配なら冷蔵庫とか冷凍庫とかで急速冷却してとろみ具合を確認してみるといいかもです。
140mlのガラス瓶に4つ半できましたから、630mlぐらいになったってことですね。

※マーマレードを煮込んでいる間に空瓶を煮沸し、中身を充填した後に再度煮沸しています。
余談
因みに、私がマーマレードづくりにハマったきっかけは、明治屋の日向夏マーマレードでした。
Amazon、明治屋 日本のめぐみ 宮崎育ち 日向夏マーマレード
毎年、親戚の家になっている日向夏を貰うけど、酸っぱいのが苦手で食べようとしたことがなかったんですが、このマーマレードのおいしさが衝撃でしばらくアマゾンでサブスクしていました。
それから4月と6月の年に2回、親戚の家にわざわざ日向夏を貰いに行って、自分でちぎって持って帰って来てマーマレードを作るようになり、おすそ分けの自作マーマレードがおいしかったのか、柑橘をよく貰うようになるという好循環が起きて、いろんなマーマレードを作るようになりました。
おすすめ。
最後に
マーマレードのレシピを乗せていたサイトが閉鎖していたので、このブログに書いてみました。
半日ぐらいかかりますから、早期リタイアしたヒマ人には最適な時間つぶしです。
最後までお読みいただきありがとうございました。