勤め先の社長の何が凄いかって、会社は「勤め先」としか表現したことがないのに、社長は「ウチの」という接頭辞を伴うとこ。
会社よりも社長に親しみを感じているって、すごくないですか?
海外赴任が長くなると起きる謎の現象で、同期や先輩よりも社長に会う機会が圧倒的に多くなります。
この「社長」は、年に1回必ず海外法人を1周されます。
上司以外の日本人社員とは、毎年1回以上会うだけでも多い方ですから、一番よく会う「本社の人」です。
他の役員の方も各局回られますが、「欧州のどこか」にお見えになるだけで、必ずしも「イギリス」ではありません。しかし「社長」は必ず足を運んでくださいます。
海外現法スタッフから最も愛されている「本社の人」かもしれないです。
ファーストネーム(苗字じゃなくて名前)で呼ばれていますし。
ローカルのスタッフを見るに、最初は特に来て欲しいと思っているわけではなさそうなんですけれど、それでも足を運んでくれたことは印象に残ります。
いろんなことにチャレンジする魅力的な方なので、食事会では好感を持たれ、それが毎年重なって、徐々に敬意に変わっていく様子を目の当たりにしました。
個人的には、何でも全て電話会議で十分だと思っているタイプなのですが、現地のスタッフの変化を見るに、実際に会う事のインパクトの大きさを無視できなくなりました。
そしてそれを毎年確実に重ねることで得られる敬意の堅牢さも。
毎年現地法人を廻ることは「行動力」や「責任感」の現れではなく、「人間力」のなせる技って感じです。
3年間の本社勤務の間、前社長と話をしたのは入社式の1回だけだった気がしますし、「社長」が身近な会社ではないんですけど、この方には、親しみと敬意を禁じえません。
これから離職する会社の社長を褒めるのは、妙な話なんですけれど、事実だから、ありのままに書いてみました。
残念ながら、社長がどんなに素晴らしい「人間力」を持っていようとも、辞める人は辞めるんですけどね。ワタクシのように。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。