毎回、残酷じゃなかったことに胸を撫で下ろす視聴者の方が深刻な「トラウマ」を抱いているような気がする今日この頃。シーズン3は今のところ、いい話系で、収めてくれています。
スター・トレック:ディスカバリー、シーズン3、エピソード4、「我を忘るなかれ」のネタバレ感想文です。最初からネタバレ全開なのでご注意ください。
ネタバレ、あらすじと感想
今回は、コーバー医師の日誌でスタートです。覚悟の上、自らの意思で乗船を決めたとはいえ、千年の時をジャンプして、家族からも、過去からも切り離されてしまった上に、千年後には惑星連邦が存在していなかったり、地球から拒絶されたりのショックな事件が矢継ぎ早に襲ってきたことで、ディスカバリー号のクルーの精神状態は限界を超える緊張状態にあるとのこと。
メインストーリー
前回、ディスカバリー号に搭乗することになった地球人アディラは、トリル人にしか寄生できないと考えられていた「共生生物」を体内に保持していたが、自身の過去の記憶も、過去の共生生物の宿主の記憶もない状態。
過去の宿主センナ・タル提督の記憶にアクセスできれば、現在の惑星連邦の状況を知ることが出来るため、ディスカバリー号のクルーはアディラの記憶に対する期待が膨らみます。
アディラ自身も自分の過去を知らなければ前進できないと、助けを求めて惑星トリルへ行くことを希望します。
通信に応じた惑星トリルのヴォス長官は、「大火」で多くの共生生物が失われたと、帰還を歓迎してくれます。
コーバー医師は、バーナムの部屋を訪れ、アディラの付き添いでトリルへ上陸することを薦めます。コーバー医師自身が死を経験したり、バーナムが1年間新しい世界に一人で放り出されるなどの強いストレスがきっかけになり、進化し、別の生き方をはじめる(=部屋の雰囲気が変わった)ことがあるけど、バーナムはその途上で、アディラはこれからそうなるから、支えになるハズだと伝えます。
バーナムは、ありとあらゆるものに責任を持とうとするクセが出ている事をコーバー医師に指摘され、同時にバーナム自身がまだ苦心していることを理解してもらえたことに感謝の笑顔っぽいものを見せます。
上陸すると、精神共同体の守護者ズィー、指導者のパヴ、ヴォス長官が迎えてくれます。但し、共生生物の宿主が人間であることに顔を曇らせ、アディラが過去の宿主の記憶にアクセスできないと知るとガッカリ。

共生生物はトリル人の「選ばれた人」に寄生するのですが、DS9の時代の選定基準は非常に厳格でした。悪い人に寄生すると未来の宿主に精神的な悪影響を及ぼすので、トリル人なら実は誰にでも寄生することが出来る事は、一般市民には隠されており、特別に優秀な人に引き継がれる傾向にありました。
ヴォス長官は、過去2千年間、トリル人以外の種族が共生生物を宿した例はなく、強制生物をアディラから取り出すべきだと主張しますが、それでは宿主のアディラの命が危険にさらされます。守護者のズィーは、アディラは我々の未来だと述べ、聖地マカラ洞窟にて共生生物とのコミュニケーションを試したそうにしています。
指導者のパヴは、自分たちにたった一つだけ残された「理念」が揺るぐ可能性が増すばかりだから言って追い返されます。
シャトルに戻る途中、強制生物を強引に引きはがすためヴォス長官から襲われます。バーナムはフェイザーで気絶させ、そこに現れたズィーがマカラ洞窟へ案内してくれます。
マカラ洞窟で共生生物との対話の為に共生生物の池の中に入ったアディラは、水中深く引き込まれてしまいます。ヴォス長官や指導者パヴも駆けつけて、怒りをあらわにしますが、特例としてバーナムも池に入り、みんなで協力してバーナムをアディラの精神世界に送ります。

トリル人が人道的な様子を見せる度に胸を撫で下ろす、「ディスカバリーシーズン1」トラウマを患っている、視聴者の私も救ってほしい。
アディラの精神世界に入ると、無数の触手がアディラに繋がろうとしています。勇気を出して身を任せると、元カレのトリル人、グレイが共生生物「タル」を受け入れる手術前のヴィジョンが映し出されます。アディラとグレイは共に孤児で、グレイは連邦本部を探していたそうです。アディラは記憶を戻しつつも、イヤな思い出の様で、帰りたがります。
次のシーンは、共生生物を受け入れたグレイ・タルに戸惑うアディラ。グレイ・タルは、「タル」や過去の宿主と完全な融合を果たしたようで、「互いを信じて融合する。お互いを受け入れるだけ」っと、融合の秘訣を教えてくれます。
そしてアディラは、最もツライ部分に突入。アディラが繋がろうとするたびに額や手がトリル柄っぽく光ります。アディラがグレイとの思い出を折り込んだキルトをプレゼントした時、爆発が起きて、グレイが瀕死になります。タル、グレイ、過去の宿主の記憶が消えてしまうと心配するグレイの為に、アディラは次の宿主になったことを思い出します。
アディラが全てを思い出した時、アディラとバーナムの前に、過去の宿主たち6人が現れます。

「Welcome to the circle」と、胸の前で腕で×を書いて頭を下げる挨拶は、クリンゴンに似ていますね。クリンゴンの場合は、指はグーで、そのまま背中を向けられたら「追放」って事だった気がします。こっちはなんというか、ヨーロッパ的?
水中から出たアディラは、過去の宿主たちとつながり、全ての名前を言うことが出来ます。そして、みんなにお祝いの祈りのようなものを貰え、ヴォス長官も非礼を詫びます。

ちゃんと謝れる世界っていうだけで、猛烈に感動しちゃうのって、やっぱり「ディスカバリーシーズン1」トラウマだろうな。
最後に、アディラは、センナ・タルの記憶を元に惑星連邦の本部を探すためのアルゴリズムを再現して、座標を割り出し、バーナムに渡します。しかし、アディラはグレイの幻想を見るようになったことをバーナムに説明できないでいます。

場所、サクッと教えてほしい…
クルーの緊張状態とゾラ?
機関部を訪れたサルー船長は、胞子ドライブの唯一のナビゲーターであるスタメッツに、スタメッツに依存しなくてもジャンプ航法を実現する方法を開発するようにプレッシャーをかけます。

でた、鬼上司、サルー。もっともなことを言っているんだけど、言い方が結構キツイよね。スタメッツのことを心配しているというよりは、ジャンプ航法を安定化させることを優先している感じが、ちょっとね。ワープ航法のナビゲーションにつかうダイリチウムをたっぷり貯蔵している船(DSC, S3, Ep3)ですから、ジャンプ航法のナビゲーションもスタメッツ1億人分ぐらい確保しておきたいのかもね。
ディリーは、以前から考えているダークマターを使う方法(DSC, S2, Ep2)を提案しますが、苛立っているスタメッツに「私の時間をムダにしないでくれ」とキレられて、凹みます。

ダークマターってさ、組成が分からなかった時の「空気」状態で、中身が分かんないから取り敢えず「ダークマター」って呼んでるだけで、中身が分かったらちゃんとした名前を貰えるんじゃないの?
サルー船長にクルーは全員、身体的には正常だと報告します。同時に、ストレス値が危険なレベルに高まっている事を指摘します。サルーは、クルーを支える方法を知りたいと言いつつも「任務や日課に集中させるとか?」などと鬼畜な事を思いつきます。
コーバー医師は、そういうことではなくて、ディスカバリークルーの孤独感に目を向けることを提案します。
サルー船長は、コンピューターにクルーをいやす方法を提案させますが、オレンジ色の何かが画面に現れ、コンピューターが感情豊かになります。「知覚生命にとって笑いは癒し」といって、バスター・キートンやチャーリー・チャップリンが笑いで人々をつないだとし、「偉大なる無表情」を薦めます。
サルーは、不審に思いレベル10診断を命令したりしますが、コンピューターはスルーして、クルーには休養が必要だと、ディスカバリー号を自動航行に切り替えて、休みを与え、感謝の証としてブリッジクルーを食事に招く事を提案します。
しかしブリッジクルーの食事会で、ずっと様子がおかしかったデトマーが暴走します。険悪な雰囲気に変わり、解散します。
ボーっと一人考え事に耽るサルー船長の元に戻って来たティリーは、サルーはみんなを再びつなごうとしてくれたことが、リーダーシップの表れだと励まします。そこにスタメッツがやって来て、ティリーに謝ります。

ヤバい。トラウマ再発。いい話だよね。シーズン3
デトマーは医療室を訪れ、コーバー医師に相談を開始します。
シャトルベイでは、コメディー映画を放映、ジョージャウ元皇帝までが足を運んでいます。映画は大ウケで、スタメッツとデトマーは和解。
サルーを褒めるコーバー医師に、サルーはシーズン2でディスカバリー号が守った「球体のデータ」が、進化して「球体のデータ」がディスカバリークルーを守りたいようだと推測します。

これは、ショートトレック『カリプソ』のゾラですかね?
最後に
科学的にいろいろ問題があろうとも、いい話だったらそれでいい。
うん。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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