『スタートレック:ディスカバリー』の第3シリーズがスタートするとの事で、あまりのショックに非公開にしていたシリーズ1のレビューと向き合って、リライトしました。【2020年10月】
以下、ネタバレなので、ご注意ください。
ネタバレ、あらすじと感想
オープニングは、クリンゴンの集会。伝説のクリンゴン皇帝「ケーレス」の思想に従い、クリンゴン24名家を団結させて、「平和目的」の惑星連邦と戦うつもりっぽいです。
まさかの「クリンゴン」スタート!DSCの「クリンゴン」は、ぶっさいく。クリンゴンと言えば、おでこのリッジに、くりくりした瞳に、ふさふさした長髪に、お髭の、粗忽だけど豪快で勇敢な愛嬌たっぷりのおっさん達だったよね?、子役のアレクサンダーなんて、めちゃ可愛かったのに、なんでこんなにぶっさいくにしたんだろう?
シーンは変わって、今作の船長と副長の登場。隕石由来の干ばつで絶滅しそうになっているクレプスキュラン人を密かに救済するため、井戸を探し水源を復活させたジョージャウ船長と副長のバーナム中佐は、シェンジョウ号との連絡が途絶えるも、足あとで惑星連邦のシンボルを描き無事に救出されます。
シェンジョウは、中国の有人宇宙船が由来かな。今回の船長はミシェル・ヨーなんて、渋い! 副官(=ファーストオフィサー)の事は「No.1」と呼んでいて、ピカード船長っぽいですね。
2256年5月11日、日曜日、惑星連邦領の外れ、恒星間リレーの修理に当たるUSSシェンジョウ。主席科学仕官のサルーは、リレーの破損は人工的に起きた可能性を示唆し、バーナム中佐は惑星連邦をおびき寄せるために意図的に傷つけられた可能性を否定できず、船長はさらなる調査を指示します。
オリジナルシリーズのカーク船長の5か年任務は2265年~2270年で、パイロット版のパイク船長の5か年任務が2257年周りなので、パイクと同時期ってことですね。
間もなくサルーが謎の物体を発見するも、光学センサーが拡散されてよく読み取れません。ジョージャウ船長の骨董品の双眼鏡で観察してみますが、より詳しく調べるためにスラスターパックを搭載した宇宙服で単独で調査に出かける事にします。
正確にはバーナムとサルーの2名で調査に行くように言われますが、なんだかだ理由をつけて一人で行くことにします。
2000kmの距離をスラスターをつけた宇宙服で飛んでくのって、スゲー。東京⇔北京間ぐらいだよね。ぴゅーって一瞬で飛んでいく距離か? それにしてもサルーとバーナム中佐の仲が険悪そう。バーナムのアクが強すぎて、「バーナム、サルーをいじめる」状態に見えるのは私だけ?
未知の物体に到着したバーナムは、興奮しっぱなしで、シェンジョウとの連絡が途絶えてもお構いなしに突き進みます。数百年前に作られた見事な装飾が施された荘厳な建造物に降り立ったバーナムは、クリンゴンと遭遇。
いきなり襲い掛かって来たとはいえ、すぐさま相手を殺害し、そのまま気を失います。
うげー。こんなに速攻で命を奪うスターフリートオフィサー初めて見た。バーナムっていう事もやる事も攻撃的すぎない?
一方、殺されたクリンゴンは、聖なる発信塔兼、埋葬船の「光の衛兵」という名誉職だった模様。棺に入れられて、咆哮で見送られた後は、宇宙船の外壁に配置され、「荘厳な装飾」の一部になっていました。衛兵が侵入者の為に命を落としたことで、気運が高まっています。
死者を「咆哮」で見送るのはクリンゴンの風習ですが、後の時代では、魂が宿らない死者の肉体に価値はないとポイ捨てしていた気がするんですが、今作では立派な棺に埋葬していますね…
救出されたバーナムは、子供の頃に育ったバルカンでの記憶を回想し、クリンゴンが名誉を重んじる事、24名家で収められている事などが紹介され、またバーナムがバルカンとクリンゴンの直近の衝突である「ドクタリ・アルファ襲撃」と何らかの関わりがあることが示唆されます。
これに加えて、トレック界で有名なMr.スポックの父、サレク大使が登場し、バーナムに理論を重んじるバルカン流の過去との向き合い方を指南します。
ベン・クロス、マーク・レナードのサレクも悪くなかったけど、ジェームズ・フレインのサレクが一番いい感じ。バルカン学習ポッドが更に派手になっていました。
目を覚ましたバーナムは、体調を省みず、性格悪そうにブリッジに直行。船長をファーストネームで呼び捨てしながら、クリンゴンを倒したことドヤ顔で報告。
サルーは直ぐに撤退を提案するものの、船長に「惑星連邦領内で撤退はない」とキッパリいわれ、クルーは防御を固め、バーナムの提案で攻撃態勢が整ったところで、クリンゴン巨大バトルクルーザーの登場です。
USSシェンジョウがクリンゴン船との通信を試みている間、クリンゴン船内では、のんびり次の「光の衛兵」を選定中。みんな躊躇している様子な上、名誉ある「光の衛兵」の甥っ子は、神話をベースにしたビーコンでの呼びかけに、仲間が集まるとは思っておらず、リーダーと一触即発。
そこに24名家の出身ではない、白色(アルビノ?)のクリンゴン、ヴォークが立候補、自分の手を火あぶりにして見せ、栄誉ある「光の衛兵」のバトレス(クリンゴン武器)を授かります。
名誉ある職なのに、バーナムにアッサリ倒される劣化バトル技術も驚いたけど、みんなして次の衛兵になるのを躊躇するなんて、勇敢さも失ってしまったのね。悲しい。その割に手を火あぶりにする気持ち悪いパフォーマンスが加わって、クリンゴンの劣化が止まらない。号泣。
サルーの調べでは、今回のバトルクルーザーは、棺を防具化して覆った、機能よりもシンボル的というかモニュメント的な戦艦だとのことで、非常に不気味。
サルーの種である、ケルピアン人が、捕食されるために飼育され生かされている種で、命の危機を察知する能力が研ぎ澄まされていることが紹介され、その能力から「撤退」を再度提案するも、即刻却下されます。
一方、ジョージャウ船長は提督への報告中。クリンゴンは、友好的な呼びかけに応じず、不明なステルス技術で、母船の周りにどのくらいのバトルシップが隠れているかわからない事を報告します。
クリンゴン、ロミュランなどの巨大帝国は、みんなステルス技術を搭載していますが、攻撃する時にはステルスを解かないとならないという技術設定です。時代的にカーク船長がクリンゴンと出会う前なので、この戦いで発覚したってことにするのかな?
バーナムは入室するとすぐに、「100年以上交流がない戦闘種族をつつくのはやめなさい」と提督からお叱りをうけます。自信家のバーナムは「クリンゴンは戦闘民族だから、理想的な対処法は、戦闘です。」と、言い返します。
そうなの。だからこそ「クリンゴンを戦わせない」ということが、「惑星連邦がクリンゴンに譲歩させた」という意味になり、惑星連邦の勝利なのです。だから、惑星連邦は戦った時点で「負け」なんですよね。
提督は、2時間以内に応援艦隊が到着するから何もしないで待機し、防御に専念するよう指示し、ジョージャウ船長も「2つの文明をつなぐ架け橋になる行動をとらねば」と、使命を伝えますが、バーナムは聞く耳を持ちません。
バーナムがトラウマを持っている「惑星連邦の共同研究施設ドクタリ・アルファ襲撃」と提督や船長が言う「100年交流がない」は大きく矛盾していますね。混乱。
そうこうしている内に、10億ルーメンの強烈な電磁波でビーコンから発信を開始します。そこでバーナムはブリッジを退出して、自室でバルカン大使サレクを呼び出します。どういう関係?
サレクとの会話から、バーナムのクリンゴンに両親の命を奪われたことが分かります。めちゃめちゃ感情的な行動だったんですね。サレクは、バルカン式でバーナムが無事だったことを喜びます。
そして、クリンゴンが何世代も内戦状態で外に出てこなかったことが語られ、彼らがすぐさま攻撃してこないという事は、たまに現れる巨大帝国をまとめる人物が現れた事を推測します。
会話の最後にサレクが私怨で判断を曇らせないようにと重々注意されますが、耳に入っているようには見えません。
クリンゴン皇帝、ケーレスが帝国をまとめた偉人の一例で、神話というか、宗教化しているクリンゴンの神のような存在です。
ブリッジに戻ったバーナムは、バルカンがクリンゴンを撃退した「先制攻撃」作戦を船長に提案しますが、「惑星連邦は先に攻撃しない」ときっぱり却下されます。「それじゃダメなのよ」と叫んで、ブリッジの中で船長に逆らったバーナムは、船長室に呼び出され、注意を受けますが、バルカンピンチで船長を昏倒させ、ブリッジに戻って攻撃準備を始めます。
どう考えても異常な命令にサルーは、反逆行為だと疑いますが、バーナムは止まりません。
ジョージャウ船長は、すんでのところでバーナムの暴挙を食い止めることができますが、惑星連邦が攻撃態勢に入ったのを受けてか、クリンゴンバトルクルーザー、バードオブプレイが次々に姿を現わします。
最後に
新シリーズの主人公、狂人なんだけど、大丈夫なの?
悪い意味で、ヤバい。
コメント