この邦題、ひどい。「メッセンジャー」の原題は「Magellan」で、2017年のSF映画です。大航海時代の冒険家フェルナンド・マゼランの「マゼラン」です。マゼラン海峡の「マゼラン」です。
この邦題じゃ、他の映画に埋もれちゃって探せないじゃんね。原題をカタカナにしたのならまだしも、珍しい原題を超汎用語で潰すなんて、ひどすぎる。
宇宙人探しSFの秀作です。
基本情報
原題 | Magellan |
邦題 | メッセンジャー |
タイプ | SF |
公開日 | 2017年2月12日 |
監督 | ロブ・ヨーク |
脚本 | ロブ・ヨーク スコット・バイアード |
原作者 | |
おすすめ度 | 4.5 (1~5点) |
トレーラー
あらすじ
太陽系内から人工的な3つの信号がラジオ波で届く。この信号の発信源を探し、回収するため、NASAは宇宙飛行士ネルソンを土星のタイタン、海王星のトリトン、準惑星エリスへ派遣する。
脚本、世界観
大航海時代のマゼランが、当時の船で世界周航を果たした無謀さを彷彿させる、現代の地球人の太陽系周航がテーマとなっています。準備期間が2年半、周航期間が10年のムボーな計画。
SF要素としては、ステイシス (人口冬眠的なモノ)、長距離有人探査船、AIなどが詰まってます。これに加えて、ストーリーの中での「発見」も斬新なコンセプトでした。予算を調べたら最大8万ドルぐらいだったっぽい噂されていて、SFとしては驚異的な低予算で頑張っちゃった意欲的なインディー作品でした。
登場人物
主人公の宇宙飛行士ロジャー・ネルソンを中心に、NASAのベッカー、奥さんのアビゲイル、米国国務長官など、最低限の人数で上手い事小さくまとめています。低予算映画なので、有名な俳優さんはいませんが、手堅い演技でした。
アクション、笑い
ビシ、バシ、ボシ的なアクションはないし、ガハハ的笑いはありません。
それぞれの惑星に到着した後に地形や自然現象、時間制限との戦いはあります。知恵を絞って困難を乗り切る系の地味なアクションです。
笑いと言うほどではありませんが、2人のAIのトーンや反応に和ませられることはあります。
映像美
煌びやかなスペシャルエフェクトが次から次へと押し寄せてくるスペクタクル要素は皆無ですが、宇宙、上陸した惑星の景観、スペースシップの設備や雰囲気づくり、脳内で展開されるイメージは、かなりきれいにまとめてきていました。
音楽
エモい音楽はありませんが、シーンにあった音楽が効果音的に適切に添えられている感じでした。
感想
奥さんとのストーリーアーク、無用な政治的、国際競争要素は、好きになれませんでした。
とはいえ、SF的な要素は非常に意欲的で興味深かったので、個人的には高評価です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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