撮り方や演技は上手く、雰囲気に飲まれて観ている間は楽しめるけれど、終わった瞬間に脚本の残念さが悔やまれる変な余韻を残す映画です。
基本情報
原題 | Knowing |
邦題 | ノウイング |
タイプ | SF |
公開日 | 2009年3月20日 |
監督 | アレックス・プロヤス |
脚本 | ライン・ダグラス・ピアソン ジュリエット・スノードン スタイルズ・ホワイト |
原作者 | ライン・ダグラス・ピアソン |
おすすめ度 | 3.0 (1~5点) |
トレーラー
あらすじ
息子の小学校の創立50周年記念で開けたタイムカプセルに、ここ50年に起きた大惨事の日付が記されていた。この情報を利用して、未来日付の大惨事を止めることはできるのか?
脚本、世界観
ニコラス・ケイジが出ている映画は、「悪趣味」だと感じることが多いのですが、本作は「良い悪趣味」です。「不気味さ」と「怖さ」が「いい倫理観だけ」をベースに表現されていたところが好感です。
頭がおかしい悪人がいないというのは、いいことですからね。これって、ネタバレかな?
それでも、十分怖いし。
ストーリーテリングと、アイデアと、エンディングが好きなので☆3.5にしましたが、脚本が微妙で、「あれは何だったんだ?」みたいな、必然性のない仕掛けが放置されたまま終わりますから、気になるタイプの人は、低評価にすると思う。
「必然」をベースにした作品で、この仕上がりは、酷い。
登場人物
ニコラス・ケイジがMIT教授の役だという事を知って驚きました。MITって、天下のマサチュウセッツ工科大ですからね!
演技はワンパターンで「酔っ払い負け犬」でも「天使」でも「MIT教授」でも「ただのニコラス・ケイジ」にしか見えないのに、役の方から「ただのニコラス・ケイジ」に合わせてきたみたいに、どんな役にも自然に馴染んじゃうのがニコラス・ケイジの不思議なところで、ちゃんと役がハマっていました。
脇役たちは、本当のいい演技で、しっかりサポートしており、安定感がありました。
アクション、笑い
地味な映画の様で、派手なアクション・特撮が入っています。予告編の「近距離に飛行機が墜落する」シーンだったり、多くはないけど、かなりダイナミックな感じでした。
個人的に重要視している笑いは、ありません。ユーモアは不必要な作品です。
映像美
この映画の褒めドコロは、地味だけど「怖い」、気持ち悪さがないけど「怖い」という絶妙な「怖さ」の演出ですね。映像もレベル高いですけど、雰囲気作りが上手な感じでした。
あとは、アクションのところでも書いたような、「やる時はやる」感じの派手なCG、スペシャルエフェクト、特撮技術でしょうか。でも、もったいぶってダラダラと見せつけるような感じではなく、サラリとすごいことが起きる感じで、かなり好きでした。
音楽
音楽担当のマルコ・ベルトラミさん、怖い映画の音楽を担当しすぎて、この人の作る音楽・効果音は、全部怖く聞こえる説。
感想
もうちょっと「必然性」を丁寧に描いた脚本だったら、私の中で「メッセージ(Arrival)」と並んだかもしれないな~。勿体ないな~。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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