感想
いきなりチート。
前作で殉職したスポックはバルカン人と地球人のハーフです。
スポックの父のサレク大使から「バルカン人は死ぬ間際に、近しい人に自分の魂を預けてセレヤ山に放つので、体は死んでも、魂はまだ生きているハズだ」と聞いて調べたら、ボーンズにマインドメルドしているので「スポックの魂はボーンズの中で生きている!」みたいになってて、チート。
これに加え、ジェネシス技術でテラフォームされた「惑星ジェネシス」の観察を続ける研究者デービッド(=カークの息子)が、スポックの棺がジェネシスに墜落しており、生命反応を示していると、スポックの身体が蘇生してるっぽくて、これまたチート。
これら序盤の2つのシーンで、「あ~、体と魂を足したら生き返るって流れね…」って直ぐにわかっちゃいますよね。
チート。
まぁ、バルカン人は異星人だから、どうとでも理由をつけて生き返らせることができるって、微妙。
しかも、ボーンズ(Dr.マッコイ)の体を借りたスポック本人とサレクに依頼は、スポックの魂をバルカン星のセレヤ山に返すことだったので、貰った休暇を使って二人でバルカン星に個人旅行に行けば、魂を解き放って終わりのハズ。それなのに「亡骸を回収した後に」セレヤ山へ向かうという話に変わっていて、脚本ミス?
見返してみてもボディーも必要とは一言も言ってなかったので、どうも腑に落ちません。
それにスターフリートのクルーが殉職した場合には宇宙棺に入れて宇宙に流す「宇宙葬」が慣習なので、亡骸が必要ならば「バルカン人が殉職した場合には、宇宙葬をしないで、亡骸をバルカン星に帰すこと」というルールになっていないとおかしいよね。
カークやスポックより前の世代のアーチャーやトゥポルの時代からバルカン人はいたんだから、なんでスポックの「宇宙葬」だけが問題になるのは変。
それに加えて、スポック云々の前のシーン、帰還して、休暇を貰った時点で既に、「エンタプライズ号を修理して惑星ジェネシスへ向かう」用に嘆願書を出している的な発言もあったし、やっぱり脚本ミスかな?
一方、「惑星ジェネシス」に生命反応を見つけ、調査の為に上陸したデービッドとバルカン人のサービック大尉は、スポックの棺から亡骸がなくなっていることを発見し、奇声が聞こえた方向に探索に行くと、スポックと思しきバルカン人の子供を発見します。
この子供が驚異のスピードでぐんぐん育つのですが、ここでもまた、「あー。この子供がスポックがなくなった時の年齢に達したら、何らかの形で生き返るのね…」っと、予想がつきます。こういう分かりやすさが人気の秘密なのかも。
最後は黄門様が印籠を見せて、悪者を懲らしめることが分かっている水戸黄門と同じで、ストーリーがバレバレでも楽しめる作品は意外と多いですよね。
そして始まってから50分ほど経過して、ようやく敵役クリンゴンが再登場です。Next GenerationやDS9などのような新しい作品では「癖はあるけど誇り高く名誉を重んじる戦士族」な感じで人気が高いクリンゴン人ですが、本作ではただの残酷で野蛮で短絡的かつ好戦的な宇宙人として描かれていて、残念。
スタートレックには、「よくよく調べたら敵じゃなかった」展開とか、とても魅力的な敵役が登場することが多いです。
この作品も突き詰めてみると、研究者のデービッドが成果を焦るあまり、禁忌の物質に手を出しちゃっていたことで、実験は失敗、多くの犠牲を出し、惑星ジェネシスは自己崩壊し、そこから命からがらギリギリセーフで逃げきった感じで、最大の敵は「デービッドの焦り」だった的な?
サービック大尉は全てデービッドが悪いと責めるのですが、グリソムの多くの犠牲の方は、クリンゴンが悪い。お金持ちが泥棒にあった場合、お金持っているのが悪いのではなく、泥棒が悪いでしょ。クリンゴンはクローキング(ステルス)技術で攻撃を打ち出す時以外は隠れているので、防衛困難とはいえ、グリソム艦長の責任だよね。
デービッドは、クリンゴンに撃たれそうになったサービックを庇って命を落としてしまいます。
最後は予想通り、ボーンズの中にいる魂スポックとジェネシスで精神がないまますくすく育ったボディースポックが、セレナ山の儀式で合体して、めでたく生き返りました。パチパチ。
間もなくカークのことを思い出して、友情を確認しあって、めでたしめでたし。
こういうスローテンポで、分かりやすい作品って、じんわりいい感じで、好きです。
最後に
というわけで、個人的には好きな作品ですが、過去作を全く知らないと、ワケが分からない場面も多いし、脚本が微妙なので、☆2.5ってところにしておきます。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。

コメント