スタートレック II: カーンの逆襲、レビュー【後半ネタバレあり】

3.0

スタートレックのオリジナルシリーズに登場した、異彩を放つ敵キャラ「カーン」。人類を遺伝子改良する研究が禁止される原因となった、恐怖の独裁者。平和ボケしたエンタプライズクルーとファンに衝撃を与えた超人だったんだけど…

「なんでこんなことになっちゃったんだ?」

というのが、鑑賞後の第一声でした。笑。

基本情報

原題Star Trek II: The Wrath of Khan
邦題スタートレック II: カーンの逆襲
タイプSF
公開日1982年6月4日
監督ニコラス・メイヤー
脚本ジャック・B・ソワーズ
原作者ハーヴ・ベネット、ジャック・B・ソワーズ、
サミュエル・A・ピープルズ
おすすめ度3 (1~5点)

トレーラー

あらすじ

遺伝子工学で改良された超人独裁者カーンは、自分を含む改良超人たちを不毛の地「セティ5星」に残して立ち去ったスターフリートのカーク船長に対し憤怒。復讐のためにリライアント号を強奪し、カーク船長を探す。

一方、提督になり地上勤務だったカーク船長は、スターフリートの研修生を訓練するエンタプライズ号のスポック船長を表敬訪問中に、のっとられたリライアント号と遭遇する。

脚本、世界観

ドラマ「スタートレック:オリジナルシリーズ (TOS)」と映画「スタートレック (TMP)」で固められた未来の世界を存分に活用した「復讐譚」って、え?

原題の「The Wrath of Khan」、「カーンの憤怒」の通り、超人が本気で怒ったらどうなるか?という部分が見どころなのかも。

SFとしての新コンセプトは、生き物が住めない不毛の星をテラフォーミング(地球化)する「ジェネシス計画」。画期的でありつつも、最強の兵器として悪用されうる技術を独裁者カーンが狙っているというのもスリルがあっていいかも。

登場人物

ユートピア人っぷりが輝くいつものTOSエンタプライズメンバーの個性は健在!

敵役のカーンと彼に率いられる遺伝子改良軍団の存在感も抜群。(過去作を知っていれば)

新メンバーの「ジェネシス計画」の研究者母子は、なにやらカーク船長と過去のいわくつきで、カーク個人の深掘りもありました。

アクション、笑い

激しいアクションではなく「リライアント号が乗っ取られたことに気づかず、無防備で近づいちゃう」みたいなスリリングな「展開」で魅せる当時のスタートレックらしい作り。智慧を使って窮地を脱する「脚本が光る」アクション設計で好感。

原作、脚本が別の人たちでも、会話を聞いて「ニヤリ」となるウィットが主軸になっている笑いには、感心しちゃいました。

映像美

1982年の作品だから古さは否めないけれど、SFとしてのコンセプトを表現するには十分で、腐臭を感じないのが不思議。

CGが発達して、新作SFの煌びやかでリアルな表現に感動しちゃうけど、根本的には「着想」や「コンセプト」が新鮮であれば、SFとして成り立つんだな~っと妙なところで感心しました。

※SFとしての表現の工夫は、1979年の『スタートレック』の方が挑戦心に満ちていた気がします…

音楽

昔の映画に共通の特徴だけど、クライマックスの音楽がやたら豪華で音量が大きくて、くどい。

以降、ネタバレ注意です。

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SF (Film)
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